堪えきれなくなって口づけた。舌で口内をねぶる。頭を壁に押し付けて、抱きしめて、くちびるが離れないようにする。どんどん荒くなっていく彼女の呼吸に、神経が研ぎ澄まされていく。ため息に声が混じらせながら、時々、私の名前を呼ぶ。歯止めなく乱れていく彼女に、胸の奥を掻き回される。
神さまはなぜ、肉慾を背徳としたのだろう。私たちは意識の深く深くに沈みながらも罪を忘れられない。そしてなおさら深くに沈み込む。そのうち私の名前は溶けるように形を崩して、声にならない。細い身体を抱きしめる。小さな乳房に触れてから、私はすこし、名前を呼んで、彼女の下半身に手を伸ばした。いじめられた子犬のように鳴きわめく彼女と、水の音。下腹部が熱い。この体温ですべてを燃やし尽くしてしまえたら、どんなにいいだろう。
この子が、好きだ。強烈な祈りみたいな感情。でも、彼女には、届かない。届かない。届かない。
こんなに近くにいるのに。この行為がこの感情には相応しいと思ったのに。
彼女の身体が熱い。汗でぬめったブラウスを脱いでも、私たちに温められた空気のせいで汗が止まらない。獣のように身体を貪りあって、気持ちだけが空回りして、私の中が、感情でいっぱいなのか、空っぽなのか、わからなくなる。
この子をあいしてる。あいしている。あいしている。あいしている。あいしている。