雨ばかりだね、と君は言う
嬉しそうに

僕は空ばかり見ている
僕は雨なんか嫌いだ





雨の日踊れば血は固まらない
手を伸ばして 足を伸ばして 背中を折り曲げてつま先を立てて
ぱったり見えなくなる



傘を差して君を見に行こう
両手を差し出しても滴り落ちるものはない
濡れた髪は尚更深く
瞳はなめらかに光を跳ね返す

血を溜めた草と
雨の香り








傘を差さずに君を

つめたい雨