僕はどこへだっていける
今上がったばかりの雨の向こうに君はいないけれど
この始まりの熱い風の中に君はいないけれど
僕はどこまでもいける


君と行った海へ
蜻蛉のように風を呼びながら
僕らの手からすべり落ちた貝を探しに行っても
砂に砕かれて、もう二度と、もう二度と、
手に入らないね
もう届かないね
それでも、君に手を伸ばすよ
せまい世界に君を探すよ
僕はどこへだっていけるのだから


この声が嗄れても
胸が苦しくなっても
僕は君を呼び続けますように
君を愛し続けますように
そんな願いを込めて
君を見詰める

僕はどこへだっていけるんだ




どこだって、どこだって。