涙でもない
祈りでもない
僕の
君の
吐息でもない
何も無いんだ、ここには
僕の眼が黒く染まっていくのが分かる


願いは天使の梯子を壊して
楽園への道を塞いだ
もうかえれない


長い長い年月
僕らが生きた時間
何も無いんだ、ここには
この鼓動の中身を君が知っていたらいいのに


空虚だ、鳥が飛んでいく
青い若葉を虫がはむ
何もない世界
僕らさえいなければ、ね。


願いは天使を強くして
その翼は
純白で
僕の胸の中から飛び立つ
君が天使だった
何も無いんだ、ここには
終焉を呑み込む堕天使


涙でもない
祈りでもない
僕の
君の
狂気でもない
何があったんだ、ここには
白い羽根が黒く染まるのが分かる


「さようなら」